暑い夏は判断力の低下による誤給油に注意

1. 夏はなぜ誤給油が増えるのか？

猛暑の中では、ドライバーの集中力や判断力が低下しやすくなります。気温が30度を超える日が続くと、熱中症のリスクだけでなく「うっかりミス」も増える傾向にあり、その代表的なトラブルの一つが「誤給油」です。特にセルフ式ガソリンスタンドでは、自分で給油する機会が増えるため、軽油とガソリンの区別を誤ってしまうケースが後を絶ちません。

2. 誤給油が起こす重大トラブル

一度でも間違った燃料を入れてしまうと、車に深刻なダメージを与える可能性があります。

• ガソリン車に軽油：エンジンが動作せず、黒煙が出る・始動不能・インジェクター故障など。
• 軽油車にガソリン：燃料ポンプが損傷し、潤滑不足により焼き付きのリスクが高まります。

どちらの場合もエンジンをかけずにすぐロードサービスへ連絡しましょう。

3. 給油時のチェックポイント

• 燃料種の再確認：給油口や車検証に記載されている「ガソリン」か「軽油」かを事前にチェック。
• 借りた車は要注意：レンタカーや社用車は慣れていないため、特に間違えやすくなります。

4. 給油ノズルの色は国によって異なる！油種表示の確認を

日本では給油ノズルの色がある程度統一されています：

• 赤色：レギュラーガソリン
• 黄色：ハイオクガソリン
• 緑色：軽油

国内ではこの配色である程度判断ができますが、海外ではノズルの色が統一されていない場合もあり、緑がガソリンを意味する国なども存在します。海外でレンタカーを使う場合は、ノズルの色ではなく、表示ラベル（Diesel、Unleadedなど）で確認することが重要です。

また、日本国内でもノズルのカバーが劣化していたり、ラベルが読みづらくなっているケースがあるため、必ず給油機の画面や表示を見て確認しましょう。

5. もしもエンジンをかけてしまったら

誤って給油した後にエンジンを始動してしまった場合、状況はより深刻になります。燃料がエンジン内部に循環してしまうため、単なる抜き取りでは済まず、以下のような対応が必要になります。

• 燃料タンクの洗浄：残留燃料を徹底的に洗い流す必要があります。
• 燃料ラインやインジェクターの清掃・交換：異なる燃料によって部品が損傷する恐れがあるため、交換が必要になることも。
• エンジンオイルの交換：燃料がオイルに混ざると潤滑性能が落ちるため、同時にオイル交換も行います。

修理費用は数万円から十数万円かかることもあります。エンジンをかけてしまった場合は、走行を止め、すぐに整備工場やJAFに連絡しましょう。

6. 誤給油時の対処法と費用

誤給油に気づいたら、次の行動を取りましょう：

• エンジンをかけない
• スタッフやJAFへすぐ連絡
• タンク内燃料の抜き取り作業を依頼

給油直後なら1〜3万円程度の作業費で済むことが多いですが、走行してしまった場合は10万円以上の修理費が発生するケースもあります。

7. まとめ：小さな確認が大きな安心につながる